今回は、当院でも接種を行っている 点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®) について、接種後に知っておいていただきたい大切なポイントをご紹介します。


フルミスト®とは?

点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®)は、注射ではなく鼻にスプレーするタイプのワクチンです。
お子さまにも接種しやすく、欧米では広く使われている方法です。

フルミストについて詳しくはこちら

点鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」について

ポイント フルミストってなに? 接種できない人 注意点 注射の不活化ワクチンは? 比較表 項目 フルミスト(点鼻・生) 不活化ワクチン(注射) 対象 2〜18歳 生後6か月〜…


接種後に起こりやすい症状

フルミスト®は生ワクチンであるため、接種後に風邪のような症状が出ることがあります

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • のどの痛み
  • 軽い咳や頭痛

これらは接種を受けた方の約半数にみられますが、多くは数日で自然に治まります。
症状が強い場合や長引くときは、医療機関にご相談ください。


インフルエンザ抗原検査への影響

重要な注意点として、接種後4週間以内にインフルエンザ抗原検査を受けると、陽性反応が出ることがあります。
これはワクチン由来であり、必ずしもインフルエンザにかかったわけではありません。
発熱症状などで検査を受ける際には、「点鼻インフルエンザワクチンを接種した」ことを必ず医師に伝えてください。


日常生活での注意

  • 接種当日は激しい運動を控え、体調を観察してください。
  • 入浴や通常の生活は問題ありません。
  • 発熱や強い体調不良が続く場合は受診をおすすめします。

他のワクチン接種との関連

フルミスト®は生ワクチンです。

  • 他の生ワクチン(例:麻疹風疹、水痘など)とは4週間以上あける必要があります。
  • 不活化ワクチン、生ワクチンともに同時接種は可能です。
  • 不活化ワクチンとの接種間隔に制限はありません。

まとめ

点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®)は、注射が苦手なお子さまにも受けやすいワクチンです。
接種後に風邪のような症状が出ることがありますが、多くは軽症で自然に治まります。
また、接種から4週間以内のインフルエンザ抗原検査は結果結果に影響することがあるため、検査時には必ず接種歴をお伝えください。

安心して接種を受けていただくために、ぜひ参考にしてください。

作成・監修: 森嶋 素子 (循環器専門医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医)