なんらかの原因で心臓の機能に異常が生じ、心臓が全身に血液を送るポンプ機能がうまくいかなくなった結果、呼吸困難やだるさ、むくみなどが起こり、これらがだんだん悪くなり、生命を縮めます。

超高齢化社会、平均寿命世界第1位の日本では、心臓病の患者は増加しつづけ、心不全は癌(がん)に次いで、死因の第2位を占めています。

高齢の心不全患者さんが大幅に増加すること=「心不全パンデミック」の発生が懸念されており、入院医療が必要な高齢心不全患者さんで病院があふれ、その他の患者さんを受け止めきれなくなる事態など社会的な問題が起こる可能性が考えられます。

下図の通り、心不全は一度発症すると、回復した後にもさまざまなきっかけで再発することがあります。

回復しても、元の状態には戻らないことも多いです。このため、早期発見・早期治療で状態悪化を防ぐことが非常に重要です。

心臓病も心不全の症状もないが、高血圧、糖尿病、肥満などの危険因子が存在するという段階(ステージA)で、危険因子をできる限り除去し、心臓病を発症させないことがとても重要です。

(日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドラインより引用・一部改変)

      

診断

まず診察で症状やこれまでの病気、血縁の方の病気をお聞きし、聴診などの診察をいたします。

心電図,胸部レントゲン検査を行い、必要に応じて、血液検査を行います。

当院では、心不全のマーカーであるNT-proBNP値の迅速検査が可能です。

治療

原因疾患や心不全ステージに応じた治療を行います。

現段階で心不全の可能性が低いと判断された場合でも、危険因子がある患者さんに対しては、予防のための指導や治療を行います。