ポイント

  • フルミスト鼻に噴霧する生ワクチン(点鼻ワクチン)です。
  • 日本での対象は2歳〜18歳、1シーズンで1回(合計0.2mL)です。日本小児科学会
  • フルミスト(点鼻ワクチン)と従来の不活化ワクチンでは、インフルエンザ重症化の予防効果に差はないと報告されています。日本小児科学会

フルミストってなに?

  • フルミストを点鼻すると、鼻の粘膜で弱毒化したインフルエンザウィルスが増殖し、自然に感染した場合と同様の免疫を誘導するワクチンです。処置は数十秒で終了します。日本小児科学会
  • 対象:2歳〜18歳 回数1回/シーズン(各鼻0.1mLずつ)。日本小児科学会
  • よくある副反応:鼻水・鼻づまり・のどの違和感・咳など。日本小児科学会
  • 従来の生ワクチンと同様に、他のワクチンとの同時接種は可能です。
  • フルミストを接種後に他の生ワクチンを接種する場合は、4週間以上あける必要があります。

接種できない人

  • 発熱している方
  • 妊娠中の方
  • 免疫不全の疾患を有する方、または免疫抑制剤を使用中の方
  • 2歳未満19歳以上の方
  • 重い喘息がある方
  • アスピリン内服中の方   
  • 重度のゼラチンアレルギーの方
  • 重度の卵アレルギーの方

注意点

  • 接種後1〜2週間は、重度の免疫不全や妊娠中の家族との濃厚接触を控える配慮が必要です。(接種後3~4週間は鼻水の中にインフルエンザウィルスを排出する可能性があることが報告されています)
  • 接種直前・直後の抗インフルエンザ薬の使用フルミストの効果が弱まることがありますので、点鼻ワクチンではなく、不活化ワクチンの接種が推奨されます。<過去48時間以内のタミフル®️(オセルタミビル)またはリレンザ®️(ザナミビル)使用・過去5日以内にのラピアクタ®️(ペラミビル)使用、過去17日以内にゾフルーザ®️(バロキサビル)使用の場合>

注射の不活化ワクチンは?

  • 対象:生後6か月〜全年齢。13歳未満は2回(間隔2〜4週)、13歳以上は原則1回厚生労働省
  • 接種部位の痛み・発熱・だるさ等が出ることあり。

比較表

項目フルミスト(点鼻・生)不活化ワクチン(注射)
対象2〜18歳生後6か月〜全年齢
回数(1シーズン)1回(0.2mL)13歳未満:2回13歳以上:原則1回
投与鼻に噴霧(針なし)皮下注射
価数(2025/26日本)3価3価
副反応の傾向鼻水・鼻づまり等(注射部位反応なし)注射部位の痛み・腫れ等
注意点妊娠・免疫不全・重い喘息・アスピリン内服小児は不可/慎重。抗インフル薬の前後は避ける幅広く使える標準ワクチン
効き方の印象粘膜免疫も作る/年・株で差あり幅広い年齢で実績豊富

まとめ

  • フルミストは、痛みが少ないインフルエンザ予防接種です。
  • ただし使えない条件があるため、年齢・体質・生活環境に合わせて、注射ワクチンと上手に使い分けましょう。
  • どちらを選ぶか迷ったら、診察で最適な方法をご提案します。
葛飾区金町 令和7年度 インフルエンザワクチン

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作成・監修: 森嶋 素子 (循環器専門医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医)