朝晩の気温差が大きくなる秋。なんとなく脚が重い、夕方になると足がむくんで靴がきつくなる…そんな症状でお悩みの若い女性が、近年とても増えています。

中には、原因がよく分からずいくつもの医療機関を受診した末に「好酸球性血管性浮腫」という診断にたどり着く方もいます。

好酸球性血管性浮腫とは?

この病気は、好酸球という白血球の一種が関与する、**非圧痕性のむくみ(押してもへこまないむくみ)**を特徴とする疾患です。

とくに日本では「NEAE(Non-Episodic Angioedema with Eosinophilia)」と呼ばれるタイプが多く、

  • 20〜30歳代の女性
  • 秋(9〜11月)に発症しやすい という傾向が報告されています​。

どんな症状が出るの?

  • 左右対称の両足や手のむくみ(とくに下腿や足背に多い)
  • むくんでいる部分にかゆみや軽い痛みがある
  • 発熱はない、もしくは微熱程度
  • 関節痛
  • 全身症状や内臓の病変は基本的にみられません

このような症状があり、採血で好酸球という白血球が増えていることが確認されると、診断に近づきます。

どうして起きるの?

詳しい原因はまだ分かっていませんが、

  • アレルギー体質
  • 虫刺され
  • ワクチン接種後(インフルエンザやCOVID-19など)
  • 呼吸器感染症の後

などをきっかけに発症することがあるといわれています​。

治療はどうするの?

自然に治ることもありますが、症状が強い場合や日常生活に支障がある場合は、**少量のステロイド(プレドニゾロン)**を短期間だけ使うと、すみやかに改善します。

実際に、国内の報告では、

  • 10〜20mg/日のプレドニゾロン
  • 数日〜1週間でむくみが消失
  • その後再発なし

という経過が多く、予後は良好です​。

こんなときはご相談を

「最近、足がむくむけど、原因がよくわからない」
「皮膚に赤みやかゆみもある」
「若いのに、突然脚がパンパンに腫れてきた」

こんなときは、採血で好酸球の数をチェックすることで、診断の手がかりになります。

当院でできること

森嶋クリニック(葛飾区金町)では、むくみの鑑別(腎・心・内分泌・静脈/リンパ・薬剤性など)を幅広く行い、NEAEを含む皮膚・アレルギー関連のむくみにも対応します。お気軽にご相談ください。