子宮頸がんの主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐため、HPVワクチンの接種は非常に重要です。

HPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの原因となる感染の約90%を予防できることがわかっています。

高校1年生は今年9月までに接種を開始する必要があります

高校1年生が定期接種(無料)として3回のワクチンを完了するためには、今年の9月までに1回目の接種を終える必要があります(3回目までに最短のスケジュールでも5か月かかるため)。

自費での接種では1回あたり27000円(当院の場合)かかりますので、ぜひこの機会を逃さないようにご注意ください。

現在の高校1年生の接種率はわずか50%

厚生労働省の最新データによると、高校1年生のHPVワクチン接種率は50%程度にとどまっています。

子宮頸がんは毎年約1万人の女性が発症し、約3,000人が命を落としています。


20~30代の若い女性にも増えており、ワクチン接種による予防が非常に有効です。

HPVワクチンを強くおすすめする理由

以下の内容は以前のブログでも触れた内容の再掲になります。

近年、世界各国でのHPVワクチン接種の普及が進み、その効果が顕著に現れています。

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは、子宮頸がんやその他の癌を引き起こすリスクを軽減するために開発されました。

その効果は、諸外国でのHPVワクチン接種率の高まりと、子宮頸がんの罹患率の減少というデータによって支持されています。

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出典:日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」

上のグラフが示す通り、諸外国ではHPVワクチンの接種率が80%を超えているのに対し、日本の接種率は極めて低値となっています。

日本では、年間約10,000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が子宮頸がんによって死亡しています。日本における子宮頸がんの罹患率および死亡率は増加傾向にあります。

一方で、諸外国での統計データは、HPVワクチン接種率の高さと子宮頸がんの罹患率の減少の間に明確な関連性を示しています。

例えば、ワクチン接種率が高いオーストラリアでは、子宮頸がんの発生率が著しく低下しており、2025年ごろには希少がんとなると予想されています。

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出典:https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/120.html

ワクチンの詳細についてはこちらのページもご参照ください。

葛飾区では男子HPVワクチンの公費助成もございます詳細はこちらから。

当院からのお願い

  • 夏休み中の接種がベストタイミング
    学校行事のない時期なら、発熱などの副反応が出ても学業への影響が最小限です。
  • 予約はお電話・WEBで
    お早めのご予約をおすすめします。

まとめ

「将来の自分を守るワクチン」
高校1年生の皆さんは、今年9月までに1回目を受ければ、3回の接種はすべて無料で完了できます。
子宮頸がんは20〜30代で増加中。今こそ予防のチャンスです。

作成・監修: 森嶋 素子 (循環器専門医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医)