
日常の診療の中で、患者さんからよくいただくご質問について、院長ブログを通じてお答えしていきます。
患者さんの質問
「コレステロールのお薬(スタチン)は、飲み始めたら一生飲まないといけないのでしょうか?」
回答
これは、患者さんの状態によって答えが変わります。
すでに心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などを起こしたことがある方では、再発予防のためにスタチンは非常に重要な薬です。このような場合、スタチンは原則として長期にわたり継続することが基本です。実際の診療でも、特別な理由がない限り、継続して内服していただくことが多い薬です。
一方で、まだ心筋梗塞や脳梗塞を起こしていない方、いわゆる一次予防の方では、スタチンを始めたからといって、必ず全員が一生続けなければならないというわけではありません。年齢、LDLコレステロール値、糖尿病や高血圧の有無、喫煙、家族歴、頸動脈プラークなどの動脈硬化の所見を総合的に見ながら、継続・減量・中止を定期的に見直していきます。
なお、一次予防の研究では、約5年間のスタチン治療によって、その後も長期にわたり心血管イベントの少ない状態が続いたという報告もあります。これは、早い時期からLDLコレステロールを適切に下げておくことに、将来の動脈硬化性疾患を減らす意味があることを示すものです。
ただし、この研究は「数年間飲めば、その後は自己判断で中止してよい」という意味ではありません。スタチンを中止すると多くの場合、LDLコレステロールが再び上昇します。患者さんの状態によっては心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まる可能性があります。自己判断で中止をせず、必ず主治医とご相談ください。

