7日間の記録で、発作性心房細動の“見逃し”を減らすために

当院では、新たに長時間心電計 Heartnote®(ハートノート) を導入しました。

「時々ドキドキする」
「脈が乱れる感じがある」
「スマートウォッチで心房細動の可能性を指摘された」
「脳梗塞の原因として、心房細動がないか調べたい」
「通常の心電図や24時間ホルター心電図では異常が見つからなかったが、心房細動が心配」

このような場合、より長い時間の心電図記録が役立つことがあります。

不整脈は、症状や脈の乱れが出ている瞬間の心電図を記録できないと診断が難しいことがあります。
特に心房細動は、発作的に短時間だけ出現することがあり、通常の心電図や24時間ホルター心電図だけでは捉えきれない場合があります。

そこで当院では、発作性心房細動をより見つけやすくするための検査として、7日間の心電図記録が可能な長時間心電計 Heartnote® を導入しました。

Heartnote®とは

Heartnote®は、胸に貼り付けて使用するコードレス型の長時間心電計です。
最大7日間、日常生活を送りながら心電図を記録できることが特徴です。

従来のホルター心電図に比べて小型・軽量で、装着中の負担が少なく、薄型でコードがないため、比較的普段に近い生活を送りながら検査を行うことができます。
また、防水仕様のため、装着したままシャワーや半身浴が可能とされています。

一方で、7日間にわたって胸に貼り付けた状態で過ごすため、皮膚への負担が24時間ホルター心電図より大きくなる可能性があります。
かゆみ、赤み、かぶれ、水ぶくれ、痛みなどが出ることがあり、皮膚が弱い方やテープでかぶれやすい方では注意が必要です。

検査中の生活上の注意点や皮膚トラブルが生じた場合の対応については、装着時にスタッフからご説明いたします。

当院でのホルター心電図とHeartnote®の使い分け

当院では、現在も 24時間ホルター心電図 を中心に検査を行っています。

特に、
期外収縮がどのくらい出ているか
動悸の原因が期外収縮なのか
徐脈や一時的な頻脈がないか
といった評価には、従来通り24時間ホルター心電図を主に使用します。

一方で、Heartnote®は、7日間という長時間の記録が可能であることから、当院では主に 発作性心房細動を見つける目的 で使用する予定です。

心房細動は、動悸を自覚することもありますが、症状がはっきりしないまま一時的に出現していることもあります。
また、発作が短時間で終わってしまう場合、通常の心電図や24時間ホルター心電図では捉えきれないことがあります。

そのため、
「心房細動が疑われるが、通常の検査では確認できていない方」
「脳梗塞の原因検索として、隠れた心房細動を調べたい方」
「スマートウォッチなどで心房細動の可能性を指摘された方」
などでは、Heartnote®による7日間の長時間記録が有用な場合があります。

症状や目的に応じて、24時間ホルター心電図とHeartnote®を適切に使い分けて検査をご提案します。

7日間記録のメリットと注意点

通常の心電図は、数十秒程度の短い記録です。
そのため、診察時に心房細動が出ていない場合には、異常が見つからないことがあります。

24時間ホルター心電図でも多くの不整脈を評価できますが、発作の頻度が少ない心房細動では、検査当日に発作が出なければ記録できないことがあります。

Heartnote®では、7日間にわたり、日常生活の中で心電図を記録することができます。
そのため、毎日は出ない心房細動や、短時間だけ出現する発作性心房細動を捉えやすくなることが期待されます。

ただし、7日間胸に貼り続ける検査であるため、皮膚への負担は避けられません。
特に汗をかきやすい時期や、皮膚が敏感な方、絆創膏や湿布でかぶれたことがある方では、かゆみや赤みなどの皮膚トラブルが起こることがあります。

皮膚の状態や症状の内容によっては、Heartnote®ではなく24時間ホルター心電図を優先する場合もあります。

心房細動を見つけることが大切な理由

心房細動は、心臓の中で血液の流れがよどみやすくなり、血栓ができる原因になることがあります。
その血栓が脳の血管に飛ぶと、脳梗塞を起こすことがあります。

心房細動による脳梗塞は、症状が重くなりやすいことも知られています。
そのため、心房細動を早めに見つけ、必要に応じて脳梗塞を予防する治療を検討することが大切です。

一方で、心房細動は必ずしも強い動悸を伴うわけではありません。
「なんとなく脈が乱れる」
「時々ドキドキする」
「症状はないが、スマートウォッチで通知が出た」
というきっかけで見つかることもあります。

このような方はご相談ください

以下のような方は、長時間心電図検査をご検討ください。

  • 心房細動が疑われているが、まだ心電図で確認されていない
  • 動悸や脈の乱れが時々ある
  • スマートウォッチで心房細動の可能性を指摘された
  • 脳梗塞や一過性脳虚血発作の後で、心房細動の有無を確認したい
  • 健診や診察で不整脈を指摘された

症状が毎日出ない場合でも、7日間記録することで原因が分かることがあります。

一方で、皮膚が弱い方、テープや湿布でかぶれやすい方は、診察時にあらかじめお知らせください。

検査をご希望の方へ

Heartnote®による7日間の長時間心電図検査が適しているかどうかは、症状やこれまでの検査結果、基礎疾患、皮膚の状態などによって異なります。

すべての動悸や不整脈にHeartnote®を使用するわけではなく、期外収縮の評価などでは24時間ホルター心電図を優先することがあります。
また、皮膚が弱い方や貼付剤でかぶれやすい方では、検査方法を慎重に検討します。

まずは診察で症状の内容や経過を確認し、通常の心電図、24時間ホルター心電図、Heartnote®、心エコー、血液検査などを必要に応じて組み合わせて評価します。

動悸、脈の乱れ、心房細動が心配な方は、お気軽にご相談ください。

作成・監修: 森嶋 素子 (循環器専門医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医)