失神の原因としては一番多いとされています。
反射性失神は、
- 血管迷走神経性失神(一番多い)
- 状況失神
- 頸動脈洞症候群
に分けられます。
いずれも迷走神経反射という全ての人が持つ反射が原因なのですが、
健常な人でも状況によっては、この反射で失神することがあります。
血管迷走神経性失神
朝礼などで長時間立ちっぱなしでいると倒れてしまう、というのが典型例です。
他にも以下のような誘因(きっかけ)があります。
誘因
- 朝礼などでの長時間の立位
- 空腹時
- 疲労
- 脱水
- 運動後
前兆
失神発作直前に下記のような前兆(前ぶれ)が認められる。
- 疲労感
- 全身脱力感
- 腹部の不快感、気持ち悪さ
- 冷や汗
- 顔が青白くなる
- めまい
状況失神、頸動脈洞症候群
状況失神は、ある特定の状況や動作で起こる失神です。
状況失神
- 排尿後
- 排便後
- 嚥下後(飲食物を飲み込んだ後)
- 咳き込んだ後
頸動脈洞症候群
髭剃りやネクタイを巻く動作など
診断
診断
原因となる不整脈や心臓病がないことを確認します。
その上で、失神が起きた状況や前兆があったかどうかなどを確認することで、典型例であれば診断が可能です。
疑わしい場合や、再発を繰り返す場合には下記の検査を検討します。
検査
①ヘッドアップチルト試験
傾斜台を使って身体に傾きをつけた状態で、血圧・心拍を測定する検査です。
施行が可能な専門施設をご紹介いたします。
②長時間心電図
24時間心電図検査(ホルター心電図)や植え込み型ループレコーダー(体内植込み型心電図モニター)などがあります。
ホルター心電図は当院で施行可能です。発作の頻度が少なく不定期の場合には植込み型ループレコーダーが有用な場合もあり、
必要に応じて専門施設をご紹介いたします。
治療
失神の再発予防を目標とします
①生活指導、薬剤調整
脱水や睡眠不足など誘因を避け、降圧剤や利尿剤など失神が起こりやすくなる薬剤を調整します。
また、失神の前ぶれを感じた場合には、すぐに座る、横になることも重要です。
②ペースメーカー植込み
生活指導や薬剤調整などを行っても発作が頻回であったり、発作が重症である場合には、
専門施設でヘッドアップチルト試験などの精査を行なった上で、ペースメーカーの植込みが検討される場合もあります。