寝そべった状態から立ち上がると、胸の中にあった血液のうち、約500-800mlが下半身やお腹の臓器に移動します。
すると、心臓に戻ってくる血液は約30%減少し、血圧が下がります。
この変化に対して、健康な人ではさまざまな調節機構が働いて、心拍数を増やし、心臓の収縮を強くし、手足の末端の血管を収縮したりすることで血圧を保つことができます。
この調節機構のどこかに異常をきたしたり、脱水状態などで体内の血液量が減ってる場合などには、起立時に血圧を保つことができず、起立性低血圧を生じます。
主な原因
①脱水
②食後
高齢者に多く、食事によって胃腸への血流が増加するためと考えられています。
③自律神経反射の失調
糖尿病やパーキンソン病など
④薬剤性
- 利尿剤
- 降圧剤
- 睡眠剤
- アルコール
- 抗不安薬 など
診断
安静に横になった状態と、立ち上がった状態での血圧と脈拍測定を行い、診断します。
治療
①原因となっている薬剤の減量・中止
②生活習慣指導
- 脱水を避ける
- 塩分摂取を増やす
- 急に立ち上がらない
- 弾性ストッキングを着用する
③薬物療法
短時間作用型昇圧剤